研究成果の1点目は家父長制の重要な要素である性役割意識の多元性を明らかにしたことである。本研究では性役割意識はa)男性の家庭役割への肯定 b)分業的な性役割への否定 c) 母親の労働役割への肯定の3次元があることが明らかとなった。さらにそれらの性役割意識は夫の家事参加とも関連しており、性によって関連が異なることも明らかとなった。2点目は日本人の中間回答の背景について自由記述を元に分類した。その結果、中間回答の多くが中間的立場を示しているとは言えないこと、負担の回避は起きているが大多数を占めるとはいえないこと、社会的望ましさバイアスが強く表れているとはいえないことなどが明らかになった。
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