研究課題/領域番号 |
20K20099
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
佐藤 洋子 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 講師 (60627561)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 女性活躍 / 林業女子 / 性別職域分離 |
研究実績の概要 |
林業に従事する女性が「女性活躍」の下で職域を拡大し活躍の場を増やす中で、ジェンダー化された「女の仕事」はどのようなアクターによりどのようなメカニズムによって形成されるのか。女性たちはどのような意味づけによって「女の仕事」を受容するのか、あるいは受容しないのか。林業における性別職域分離の変革の可能性は見られるのか。本研究ではこれらの問いに取り組み、「女性活躍」の下での林業における「女の仕事」の形成と受容、またその変革可能性を明らかにすることを目的としている。 2020年度は、高知県内における女性グループ(林業女子会@高知)の活動への参加による参与観察とメンバーへのインタビュー調査を行った。また国の男女共同参画基本計画や「地方創生」に関する文書の検討から、「女性活躍」政策における「女の仕事」についての整理を行った(佐藤洋子(2020)「第5次男女共同参画基本計画案にみる農村女性政策の変化」日本村落研究学会第68回大会自由報告、佐藤洋子(2021)「『地域における男女共同参画』が意味するもの」『Collaboration』11)。それにより、第4次男女共同参画基本計画以降、「地方創生」のために「女性活躍」が必要だという論理で「地域における男女共同参画」が語られ、第5次男女共同参画基本計画ではそれが強化されていることを明らかにするとともに、林業に従事する女性たちの多くが暮らす地方において「女性活躍」が何を意味するのかを明らかにした。今後は、新型コロナウイルス感染症の拡大により十分に行うことができなかった林業事業体や教育機関での調査を中心に進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大により初年度に予定していた高知県内での調査が十分に進めることができなかったものの、その分「女性活躍」政策における「女の仕事」についての整理を予定以上に進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、新型コロナウイルス感染症の拡大により初年度に十分に行うことができなかった林業事業体や教育機関での調査を中心に進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大により調査が十分に進まなかったため、調査旅費の使用額が少なかった。次年度に高知県内と対照地域での調査を実施することで使用する予定である。
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