今回比較的長波長領域にて発光遷移を有する発光中心イオンを導入することで放射線照射下において赤色・近赤外光を呈する単結晶材料の作製に成功した。赤色・近赤外発光シンチレータは高線量率場のモニタリング応用に期待されており、原子炉など線量率の高い環境で計測を行う場合、光ファイバーが放射線損傷を起こすため正確な線量計測が困難になる。このような放射線損傷では紫外可視領域の透過率が著しく低下するため、赤色・近赤外発光シンチレータを用いることで長期に耐えうる計測が可能になることが期待される。また、赤色・近赤外領域にて高効率で発光する材料を発見したことで物質科学的にも新たな知見になると思われる。
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