研究課題
本研究ではソーシャルデザインの要素としての社会的関係性,換言するならば相互主観性(intersubjectivity)の形成・展開過程の定量的評価を通じた関係性の動的メカニズムの捕捉に取り組むことを目的としている.そのために,①協働プロセス類型の構造的把握および協働主体に着目した「共創」概念の緻密化,②表情筋筋電図をはじめとするマルチモーダルな生理データによる相互主観性の形成・展開過程の定量的評価,③相互主観性の動的メカニズムの捕捉およびモデリング,④ソーシャルデザインとして社会的関係性の動的デザインへの適用および検証を行なった.最終年度は昨年度までの研究成果を基盤に②③の分析を深め,さらに上記④および追加実験を実施した.③に関してデザイン分野で主要な国際会議DESIGNで2件の発表を行いCambridge University Pressより2本の論文が公刊され,共創造性へと展開した論文1本が定期刊行学術論文誌に採録された.④に関して2件の国際会議発表を行い論文2本が採録通知を得た.さらに④での一連の適用事例を参照しつつ,本研究成果のソーシャルデザイン教育への応用を論文にまとめSpringer Natureより書籍章として刊行予定である.③については学会賞をW受賞した. 本研究を学術的に発展させるため,別途競争的資金を獲得して計測機器を調達した上で,実験倫理委員会による承認を経て40名を対象に追加実験を遂行し,共創時マルチモーダルな生理指標の計測データを収集した.併行して,本研究を国際共同研究により発展させるため国際共同研究強化(A)に申請し採択された.本研究成果は,論文や学会発表のみにとどまらず,招待講演や本研究が想定する個を起点とした多様なステークホルダー間でのソーシャルデザイン実践支援(自治体やインフラ企業)、人材育成への展開を通じて社会還元を行なった.
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (13件)
日本創造学会論文誌
巻: 26 ページ: -
Smart Innovation, Systems and Technologies: Design in the Era of Industry 4.0
巻: 343 ページ: -
巻: 342 ページ: -
Future of Design Education
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DESIGN2022 (Cambridge University Press)
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10.1017/pds.2022.93