研究実績の概要 |
2021年度は、前年度から継続している課題(フィールドワークを通した地域の災害脆弱性の分析とモデル化)に取り組んだ。 本研究の成果は、原著論文「Development of a support system for creating disaster prevention maps focusing on road networks and hazardous elements」(査読付)にまとめ、論文誌(Visual Computing for Industry, Biomedicine, and Art)に掲載された。 本論文では、開発した防災地図づくりシステムを用いて対象地域における災害脆弱性を分析し、その傾向をグラフで示した。また、本システムで用いたSpace Syntax理論に基づくネットワーク分析の手法が防災分野にも応用可能であることを示した。 次に、本研究で開発した防災地図づくりシステムのユーザビリティについての検証を行なった。本研究の成果は、国際会議(HCI International 2022)のポスター論文「Effectiveness of a Disaster Prevention Mapping System using Road Networks and Hazardous Elements」(査読付)に採択され、発表と議事録掲載を予定している。 本論文では、開発した防災地図づくりシステムの防災ツールとしてのユーザビリティについて、PPP(プロダクト・パフォーマンス・プログラム)とSUS(システム・ユーザビリティ・スケール)の2つの評価法を用いた検証についてまとめた。実験検証の結果、本システムはユニバーサルデザインの観点から防災ツールとして高い評価を被験者から得ることができた。以上の検証結果から本システムは、防災ツールとしての有用性を示すことができた。
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