地図上の最短経路と災害時の避難経路は、必ずしも一致しない。道路の構造や周囲の状況から、災害避難時の経路としては不適になる区間があるためである。本研究では、市民による避難経路の検討を支援するツールとして、災害リスク因子とそのGPS情報を収集するための携帯型デバイスと道路ネットワークの情報をデジタルマップ上に統合、分析、可視化するソフトウェアを開発した。本システムを用いた防災地図づくりイベントを東京都内における7つの地域で実施し、従来手法よりも情報量の多いリスクマップの自動生成に成功した。本研究により、高精度な避難計画の策定が市民主体で行えるようになることが期待される。
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