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2020 年度 実施状況報告書

オープンアクセス進捗度の因果分析

研究課題

研究課題/領域番号 20K20139
研究機関国立情報学研究所

研究代表者

河合 将志  国立情報学研究所, オープンサイエンス基盤研究センター, 特任研究員 (10856090)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードオープンアクセス / オープンサイエンス / グリーンオープンアクセス / 機関リポジトリ
研究実績の概要

初年度の研究実績としては、情報知識学会誌における論文(機関リポジトリによるオープンアクセス進捗率の因果分析)の掲載をあげることができる。本論文では、機関リポジトリコミュニティに指針を与えるために、機関リポジトリにおける学術雑誌論文の件数と図書館員によるオープンアクセス推進活動の因果関係を分析した。国内87機関のデータを計量分析した結果、研究者へ直接アプローチする「学術雑誌論文提供依頼」の実施は、学術雑誌論文件数の増加に特に効果的である一方で、「オープンアクセス方針」の策定や「セルフアーカイブ」の実施は、それほど効果的ではないことがわかった。因果関係の詳細を把握するために、「学術雑誌論文提供依頼」に関して追加で収集した4機関のデータからは、その年間成功率の平均は36.32%であり、最も効果的に実施できている機関の平均と最高値は、それぞれ55.82%と73.20%にも及ぶことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は、機関リポジトリコミュニティに指針を与えるために、機関リポジトリにおける学術雑誌論文の件数と図書館員によるオープンアクセス推進活動の因果関係を定量・定性的に実証することである。初年度は定量的な実証に取り組み、上記の論文(機関リポジトリによるオープンアクセス進捗率の因果分析)において、「学術雑誌論文提供依頼」が効果的であることを示した。

今後の研究の推進方策

当初の計画では、定量的な実証の結果にもとづき、定性的な実証に取り組む予定であった。具体的には、「学術雑誌論文提供依頼」が成功する条件を、大学におけるインタビューといった実地調査を通して明確化するはずであったが、新型コロナウィルスの影響により実地調査の履行が困難な状況となった。そこで、実地調査なしにデータを収集できるよう、国立情報学研究所が開発するJAIRO Cloudに「学術雑誌論文提供依頼」についてのメモ機能を付加する計画を改めて立てた。メモ機能により、「学術雑誌論文提供依頼」を送付した教員の属性が記録されるため、例えば、工学部の女性の准教授に対する「学術雑誌論文提供依頼」が成功する傾向にあるといった、より詳細な因果関係を明らかにすることができる。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスの影響により実地調査の履行が困難な状況となったために、次年度使用額が生じることになった。次年度使用額は、「今後の研究の推進方策」において言及したJAIRO Cloudのメモ機能の開発に充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 機関リポジトリによるオープンアクセス進捗率の因果分析2021

    • 著者名/発表者名
      河合将志 尾城孝一 前田隼 西澤正己 山地一禎
    • 雑誌名

      情報知識学会誌

      巻: 31 ページ: 20 30

    • DOI

      10.2964/jsik_2021_015

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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