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2020 年度 実施状況報告書

超高磁場MRIを用いた聴覚野における複層的な音の情報処理機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K20158
研究機関国立研究開発法人情報通信研究機構

研究代表者

森 数馬  国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報工学研究室, 研究員 (70754696)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード超高磁場MRI / 聴覚野 / 音 / 深層学習 / 符号化モデル
研究実績の概要

本研究は、超高磁場MRIを用いて聴覚野における音の情報処理機構を従来よりも精緻に検討することを目的として実施した。2020年度は、新型コロナウイルスの影響から人を対象とした脳機能計測実験の実施が困難であった。そのため、実験後に必要とされる脳活動解析および音の深層学習解析を即座に行うことができるように解析技術の取得に注力して、次年度への体勢を整えた。
超高磁場MRIデータから階層的な脳活動を抽出するため、過去に予備的な実験で取得した脳データの解析を行った。SPMなどで行う一般的なMRIデータの処理手法に加えて、LayNiiなどの複数の解析ライブラリを用いて課題実行中における階層別のBOLDおよびVASO信号をMRIデータから取得する手法について習熟することができた。このため、実験後に円滑に脳データ処理を行う準備が整ったと言える。
音の解析に用いる深層学習による音源分離解析については、Spleeterなどの複数の音源分離専用ライブラリを用いて、会話音の話者分離や、音楽の歌声および楽器音の分離を行った。各種ライブラリの比較によって、使用予定の実験刺激について最も精緻に音源分離できる手法を確立することができた。
これらの研究成果から、音刺激を用いた脳機能計測実験の実施後に、複数の音波形に分離した実験刺激と表層から深層までの6層についての脳活動の関係性を検討して音の情報処理機構を明らかにする見通しが立った。
なお、解析に用いた実験データはパスワードのあるパソコンに保存し、研究代表者以外が見ることができないようにして個人情報を保護している。研究内容を発表する際には、個人が特定できないよう匿名化したデータを使用することで参加者のプライバシーを保護する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルスの影響により、予定していた脳機能計測実験をスムーズに実施することができなかった。

今後の研究の推進方策

今後は、実施見通しが立ち次第に超高磁場MRIによる脳機能計測実験を行い、音源分離によって得られる複層的な音波形と聴覚野における階層構造の対応関係について検討する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの影響により、予定していた脳機能計測実験を実施できず、実験に伴って購入が必要と考えていた機器について購入を見送ったため支出額が少なかった。次年度の金額はおおむね申請書に記載の通りに使用するが、前年度の余った金額と合わせて大容量データ解析用の高性能デスクトップを購入する。1人の実験参加者につき、実験謝金を支払う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 知覚・認知心理学2021

    • 著者名/発表者名
      川畑直人・大島剛・郷式徹監修/萱村俊哉・郷式徹編著(一部執筆 森数馬)
    • 総ページ数
      213
    • 出版者
      ミネルヴァ書房

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公開日: 2021-12-27  

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