研究成果の概要 |
本研究では, 以下の点を明らかにした. (A) 臨床的N0リン パ節の四次元的形態解析:転移の初期段階にあるリンパ節では, 腫瘍細胞が実質を腫瘍細胞に置き換え腫瘍巣を形成し, この形成過程で血管, リンパ洞が消失する. この消失により, 超音波画像診断で観察される血流欠損が生じる. (B) 臨床的N0リンパ節に対するLDDSの溶媒特性と抗腫瘍効果の検討:LDDSに最適な浸透圧(695- 2,780 kPa), 粘度(40mPas以下)を定めた. 今後の製剤開発に指針になると, 想定される.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
転移リンパ節に対する全身化学療法の奏効率は低い. この理由は何か?本研究では, リンパ節転移初期段階に形成される血流欠損が奏効率の低さの原因であることを示した. 血流欠損は転移診断の指標になる. 一方, 転移リンパ節の治療に対してはLDDSが有効であり, LDDSの溶媒には最適な浸透圧と粘度が存在することを示した. LDDS製剤開発の指針を示した.
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