研究課題/領域番号 |
20K20176
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研究機関 | 石川工業高等専門学校 |
研究代表者 |
任田 崇吾 石川工業高等専門学校, 電子情報工学科, 助教 (50847382)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 位相共役光 / 時間反転 / 生体イメージング / 光散乱 |
研究実績の概要 |
本研究では,より実用的な実験系として後方散乱光に対する位相共役光の生成を実現し,その散乱抑制効果を検討することを目的とする.これにより,位相共役光を利用した新たな生体イメージング手法の実現が期待される.該当年度の研究実績は以下の通りである. 1. 研究環境の構築:位相共役光生成に必要なレーザ光源の修復,および再調整を行った. 2. ディジタル位相共役光生成のための光学系の構築:各装置の動作確認と再調整後,ディジタル位相共役光のための実験システムを構築した.本研究の実験システムは,散乱体からの出射光と参照光の干渉によるホログラムを記録する必要があるため,極めて精度の高い光学系の配置と調整を必要とする.本研究の特徴である,透過型と反射型の2種類のSLMによる強度変調と位相変調が同時に可能なディジタル位相共役光生成システムの調整を行った.今後は位相共役光生成実験を繰り返し,光学系の最適化を進める. 3. ディジタル位相共役光生成システムの最適化と改善:ディジタル位相共役光の生成には,CMOSカメラによるホログラムの記録と,位相共役ホログラムを基にSLMで位相変調を行う必要がある.そのために必要なプログラムを最適化することで処理時間の短縮と効率化を試みた.さらに,ホログラムのコントラストを反映させることで,位相共役光による散乱抑制効果の更なる向上を目指した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
レーザ光源の不調により,修理を依頼したが,新型コロナ感染拡大の影響により,修理に大幅な時間を要し,当初の実験計画からは遅れが生じている.
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今後の研究の推進方策 |
遅れは生じているが,レーザ光源の修理により,これまでよりも長時間の実験が可能となり,実験効率は大幅に向上したため,挽回することが可能である. ハード面,ソフト面両方において,新たな実験システムを構築し,本研究課題を推進する.
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次年度使用額が生じた理由 |
レーザ光源の修理期間に実験が出来なかったため,実験実施及びシステム構築に必要な装置購入が出来なかったため,繰り越しが生じた. 繰り越した予算は,当初の予定を次年度にずらして実施する際に使用する計画である.
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