研究課題
若手研究
これまでの位相共役光の生体応用に関する検討では,透過型の実験系が用いられてきたが,実用性が低いといった問題があった.そこで本研究では,より実用的な実験系として後方散乱光に対する位相共役光の生成を実現し,その散乱抑制効果を検討することを目的とした.はじめに,位相共役光システムを再構築し,システム全体の最適化を試みた.さらに,干渉縞のコントラストをフィルタとして,位相共役光による散乱抑制効果の向上に取り組んだ.これにより,位相共役光を利用した新たな生体イメージング手法の実現が期待される.
生体医用光学
本研究成果は,位相共役光の時間反転性を利用した生体イメージング手法の開発につながる研究である.本期間内の成果は,十分とはいえないが,得られた知見は今後の研究を推進する上で指針となるものもある.今後,研究が進展することで,後方散乱光に対して,位相共役光が生成できれば,位相共役光の生体応用が飛躍的に進む.将来的には,皮膚表層部の高分解能なイメージングや,光線力学的療法への応用,血液の非侵襲流速計測につながることが期待できる.