研究課題/領域番号 |
20K20181
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
KIM JEONGHYUN 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 特定研究員 (20844591)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 3次元培養 / 軟骨 / 骨 / 骨細胞 / 分化 / インターフェイス |
研究実績の概要 |
骨・軟骨組織の再生に向けて、様々な人工物質を用いたBiphasic scaffoldが開発されてきたが、これらの人工物質を用いた研究は移植後の拒否反応などの副作用のリスクがある。また、軟骨と骨の間にはbone-cartilage interfaceという無血管軟骨組織への毛細血管侵入を防ぐ役割を持つ重要な部位があるが、現在の組織工学的なアプローチでは再現できていない。そこで本研究では、研究代表者がこれまでに開発した3次元細胞ディスク(Disc)型の骨scaffold-free tissue(SFT)を軟骨SFTと積層化させる事で、この骨・軟骨を同時に再構築するというin vitroモデル(Osteochondral SFT)の開発に挑む。生体の骨と軟骨に限りなく近い環境を再構築することでbone-cartilage interfaceも再現できると期待できる。令和2年度においては、軟骨前駆細胞を用いて軟骨SFTを作製し、軟骨モデルとしての機能評価を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者がこれまで作製した3次元人工骨細胞組織体モデル(SFT)はマウス前駆骨芽細胞により構築されていたため、新たな培養条件でマウス前駆軟骨細胞(ATDC5)を用いて軟骨SFTを作製し、軟骨モデルとしての機能評価をおこなった。具体的には、従来の2次元培養モデルに比べ、3次元培養化された前駆軟骨細胞は、軟骨分化マーカーの遺伝子発現量が大きく上昇した。また、軟骨SFTにおいた化学的・機械的刺激の応答などを調べる実験が実施中である。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの研究により構築した骨SFTと軟骨SFTの積層化をおこなう。SFTの積層化により2つの異なるSFTが問題なく一体化しているのかを確認する。特に、2つのSFTの接着面に注目しながら、多層化SFT内のインターフェイス形成・機能などを詳しく調べる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19の為、国内・国際学会がオンライン開催になり、旅費などの使用額が減少した。また、所属変更(京都大学から名古屋大学)が令和3年4月あるため、実施研究計画に変更が生じた。
|
備考 |
京都大学ウイルス・再生医科学研究所バイオメカニクス分野 https://www2.infront.kyoto-u.ac.jp/bf05/index.html
|