本研究の目的は、オーバーハウザー効果MRI(OMRI)法を用いた悪性黒色腫中のメラニンラジカル量の定量評価手法を新規に構築することであった。本研究では、試料の寸法、形状に最適化されたOMRI装置の検出器の開発を行うと同時に、より高感度なOMRI装置に対応する検出機器の設計を行った。その結果、従来の共振器と比較し、マウス後肢に最適化したOMRI共振器では、電磁波侵入距離、及び検出感度に関連する高周波磁場発生効率が改善した。また、同共振器による計測により、異なる性質を持つメラノーマ細胞株間において、メラニンラジカル量及びその細胞増殖の過程におけるメラニン産生量に違いが生じる可能性を見出した。
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