乳房再建は困難で、主な課題は再建した乳房への酸素・栄養供給不足であった。酸素・栄養を行き渡らせるためには血管構造が必要とする。そこで、コラーゲンマイクロファイバーをフィブリンゲルに埋め込み、ヒト乳房細胞を混合した注射用血管網形成脂肪組織(iPAT)を開発した。マウスの皮下移植実験で、iPATは3カ月後に非血管新生組織よりも高い細胞生存率と体積維持率を示した。これは、iPATには血管、リンパ管、神経血管が浸透しているためである。さらに、iPATは凍結保存可能で、自己細胞を使用した臨床応用も検証した。最後に、バイオプリンターとバイオリアクターを使用して組織のスケールアップを実現した。
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