研究課題
若手研究
動物実験に変わるin vitro評価系として、培養皮膚モデルが注目を集めている。本研究では、従来モデルに欠けていた”毛包”を備えた培養皮膚モデルの構築を目的とした。成果として、毛髪再生能を有する上皮系細胞と間葉系細胞の自己組織化に適した培養環境を整えることで、培養皮膚内に毛包を備えた組織の構築に成功した。この培養皮膚モデルに毛髪形成に関わる因子を投与し、動物実験と同様の応答を示すことも確認している。本培養皮膚モデルは、新たな動物実験代替モデルとして期待できる。
生物工学、組織工学
本研究により構築した毛包を有する培養皮膚モデルは、ヘルスケアや医薬部外品の新規評価モデルとしての応用や附属器を有する移植用皮膚開発への多大なる貢献が期待される。また、本技術によって確立される新たな組織工学的手法は、上皮-間葉の相互作用により形成する多くの臓器・組織の生体外構築に適用できる可能性もあり、再生医療の中核技術の1つとして新しい治療法の進歩に貢献することが期待できる。