本研究は、Gd-EOB-DTPAで造影されたMR画像(EOB-MR画像)における肝結節性病変の自動検出・鑑別・読影レポート作成システムの開発を行い、実用化を目指すものである。これまでの研究では、EOB-MR画像における肝結節性病変の自動検出・鑑別のコンピュータ支援診断(CAD)システムの開発を行ってきた。また、読影レポート生成のために、病変の肝区域を同定する手法の開発も行ってきた。 最終年度までに、肝区域を同定する方策として、deep learningによる肝区域抽出と、肝区域抽出における正解ラベル画像作成を効率化するための手法の提案を行った。これらの手法により、正解ラベル画像作成の時間的・労力的コストを削減することで大規模な学習データ作成の難易度が下がることが期待できる。さらに、deep learningによる肝区域抽出の結果と、肝結節性病変の自動検出・鑑別CADの結果を組み合わせることで、読影レポートの自動生成を試みた。 本手法は単純なルールベースな手法で構造化レポートを自動生成しており、deep leariningによる自動レポート生成とは異なる。しかしながら、最終的なdeep learningによる構造化レポート生成の際の正解や比較対象として使用可能であるため、重要なステップであると考える。自動生成を試みた読影レポートは実際に読影医の作業を取って代われるほどのものではないが、この試みにより、診断を行う際の負担軽減や診断精度の向上が図られることが期待される。 最終年度は以上の結果を論文投稿、学会にて発表するため延長したものである。
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