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2022 年度 実施状況報告書

AI造血器疾患自動診断システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20K20230
研究機関順天堂大学

研究代表者

堀内 裕紀  順天堂大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60867951)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード人工知能 / 深層学習技術 / 末梢血塗抹標本 / デジタル画像 / 細胞分類 / 異常コメント
研究実績の概要

我々はAI深層学習技術を用いて末梢血AI血球形態自動分析システム(AI自動分析システム)を開発してきた。本研究では、このシステムを利用し、実際の日常検査標本においての細胞分類性能と異常細胞検出能を評価した。
方法:約100万細胞のデジタル画像を学習してAI自動分析システム(細胞分類と形態異常コメントを提示)を構築した。末梢血塗抹標本から血液像自動分析装置DI-60によりデジタル細胞画像を取得した。AI自動分析システムの評価には、日常検査で目視検査を施行した末梢血塗抹標本589検体(ALL 26、AML 52、Lymphoma 84、MDS 97、MPN 50、造血器腫瘍以外 66、正常検体214)から得られた139,378 画像を用いた。血液検査技師(3名)による評価との一致率を求めた。
結果:細胞分類能の一致率は全17分類で97.3%以上であった。異常コメントの一致率は、悪性リンパ腫群ではリンパ球異常コメント12種類のうち11種類が90%以上、MDS群では成熟好中球異常コメント16種類のうち12種類が90%以上であった。
検査室で異常細胞ありと判断された標本は118枚で、そのうち115枚(97.5%)は、AI自動分析システムが1細胞以上の『芽球』を検出した。AIで芽球が検出できなかった3標本は検査室でも『芽球』ではなく『形質細胞様細胞』として異常細胞が検出された標本であった。AI自動分析システムはこの3標本中2標本において「形質細胞様」というリンパ球異常コメントを付与していた。
AI自動分析システムを用いて細胞判別とともに異常コメントを使用することによって118標本中117標本(99.2%)の異常細胞を検出することができた。これより本システムは「標本単位」での異常検出に十分活用できる可能性が示唆され、来年度以降は偽陽性の軽減、多施設でのロバストネス評価も行っていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

理由は2点あり、1つはコロナ禍で研究が思うように勧められなかった時期があったこと。もう1点は評価をしていくにあたり、標本作成条件による違いなど、更に評価すべき事項が増えたこと。

今後の研究の推進方策

今年度までに、異常検体の検出能について、AIの見逃しはない。という点で良好の成績が得られたが、偽陽性がやや多いことは課題として表れた。そのため、偽陽性を軽減するための検討を進める。
また、当施設では細胞判別能については十分良好な成績が出たが、これを異なる標本作成条件などで行う他の施設でも同じ性能を発揮するか、ロバストネスの評価を多施設(当院の他2施設)で行う。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍で国内、国際学会に現地で参加することがほぼなく、ほとんどがWEB学会であったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Evaluation of Blood Cell Classification Performance and Detection of Abnormal Hematopoietic Cells in Peripheral Blood Smears by a Novel Automated Image Analysis System Using Deep Convolutional Neural Network2023

    • 著者名/発表者名
      Yuki Horiuchi, Kenji Tayama, Akihiko Matsuzaki, Kumiko Nishibe, Kimiko Kaniyu, Yosuke Iwasaki, Aya Konishi, Yoko Tabe
    • 学会等名
      ISLH
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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