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2020 年度 実施状況報告書

BMIデバイスの治療効果予測・評価のための光刺激ー光記録神経活動撮像系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K20245
研究機関九州大学

研究代表者

田代 洋行  九州大学, 医学研究院, 講師 (70380384)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード光刺激 / Indocyanine green / 光神経活動記録 / Brain Machine Interface / 安全性評価
研究実績の概要

人工視覚システムのような空間的に高密度な刺激を加える Brain machine interface (BMI) の医療応用に向けた研究が盛んに取り組まれている。より健常者の感覚に近づくよう高密度に配置された電極アレイの研究開発が取り組まれているが、それらが有効に働くには患者側に相応の感受性が残存している必要がある。侵襲を伴うインプラント機器においては術前に治療後の効果、デバイスの有用性の評価が必要である。そのためには、非侵襲的に高密度に刺激を行い、時間的分解能が高い神経応答を画像として収集できると有用である。本研究では、遺伝子改変なしに既存のイオンチャンネルに光応答性を付与するPhotoswitchと毒性のない電位感受性色素としても使用できると近年になって報告された Indocyanine green (ICG) を組み合わせ、臨床応用可能なBMI評価系の確立をめざしている。
Photoswitchを用いた光パルス刺激に対し安定した応答をするか評価を行ため、Photoswitchの合成を進めている。現在、残り1ステップの化学反応で合成が完成するところまで進んだ。合成された試薬を用いれば、光感受性のない神経細胞に遺伝子改変無しに光応答性を付与することが可能になる。また、ICGを用いた神経応答記録については、励起レーザー光学系の設計を完了し、倒立顕微鏡に組み込みを完成した。計測した光学特性から応答をとるに十分なエネルギー密度が得られることが確認できた。これにより神経培養細胞を用いたICGによる神経応答記録の検証が進められる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では臨床応用を視野に、毒性がない試薬を用い、Photoswitchによる高密度刺激と、ICGを用いた時間分解能も電気記録に劣らない二次元神経応答画像記録の実現を目指している。Photoswitchの合成は、Aminoazobenzenとトリエチルグリシンの合成に成功し、両者を結合させる残り1ステップの化学反応を進めれば合成に成功する。
ICGについては、励起レーザー光学系を組み、倒立顕微鏡への組み込み、およびその光学特性の取得まで進んでいる。

今後の研究の推進方策

Photoswitchの合成については、残り1ステップの反応に苦慮しているが、塩化物イオンの除去が完全でないとの目星がついており、脱塩を完全にすることで成功を目指している。
ICGについては、神経培養細胞を用い高速カメラでの取り込みを開始する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の緊急事態宣言下において、出校しての研究活動の停止期間などの措置がとられたため、消耗品の購入量が減少したこと、また学会発表の件数の減少、オンライン開催による旅費が発生しなかったなどの理由のため繰越金が生じた。
次年度、化学合成に必要な試薬類や消耗品類の購入、神経応答記録に必要な光学系の確立や、処理ソフトの購入などに充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Compact Fluorescent Cell Imaging System for Real Time Acquisition2020

    • 著者名/発表者名
      Teixeira Barbara Sais, Ronnakorn Siwadamrongpong, Joshua Olorocisimo, Taisuke Saigo, Mark ChristianGuinto, Makito Haruta, Hironari Takehara, Hiroyuki Tashiro, Kiyotaka Sasagawa, Jun Ohta
    • 学会等名
      第81回応用物理学会秋季学術講演会

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公開日: 2021-12-27  

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