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2020 年度 実施状況報告書

高齢者の自動車ペダル踏み間違い事故の原因解明―運動生理学的観点から―

研究課題

研究課題/領域番号 20K20253
研究機関福井医療大学

研究代表者

藤田 和樹  福井医療大学, 保健医療学部, 講師 (20649686)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード自動車事故 / 踏み違い / 高齢者 / 筋電図 / 運動学
研究実績の概要

現在、実験を進行中である。コロナ禍の影響で被験者が十分に集まっていないが、一定の結果が認められた為、下記の内容で論文を投稿予定である。
ブレーキとアクセルの踏み間違い(ペダルエラー)が死亡事故の原因となった比率は75歳以下が0.6%であるのに対し,75歳以上では7.8%と明らかに高い.したがって,高齢ドライバーのペダルエラーは,車両暴走などの重大な事故を引き起こし,わが国の重要な問題となっている.加齢による下肢の運動制御の低下は,自動車運転中のペダルエラーを引き起こす可能性がある.本研究の目的は、高齢ドライバーの緊急ブレーキに伴うペダル踏み替え操作の運動生理学的特性を明らかにすることとした.若年者11例と高齢者10例が本研究に参加した.測定には,踏み替え実験用ペダルを使用し,眼前に設置した三色LEDライトを20から30秒間隔で無作為に点灯させ,赤色で急速な踏み替えとした.ペダルに設置した圧センサーの信号から踏み替え操作をアクセルリリース相と踏み替え相に分け,筋活動と運動学データを解析した.結果として,高齢ドライバーはアクセルから足が離れた後に時間的遅延が認められた.高齢ドライバーでは踏み換え操作全体を通してヒラメ筋の活動性が高く,大腿直筋では活動開始の遅延が認められた.そして,膝関節伸展筋と屈曲筋の同時活動性が低下していた.関節運動に関しては,高齢ドライバーは股関節内転速度が遅く股関節の内旋によって踏み換えを実行している傾向であった.このような若年ドライバーとの運動制御の違いは足の不正確な軌跡を引き起こしペダルエラーの発生に関連している可能性がある.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

対象を高齢者としているため、県内でCOVID-19の感染者が増加している時期には実験を行うことが出来ない。しかしながら、十分な感染対策を行い、2020年度には若年者11例、高齢者10例の実験および解析を実施することができた。

今後の研究の推進方策

まず、現在収集できているデータで論文投稿を行う。その後、さらに被験者数を増加させ、詳細な統計解析を実施していく。

次年度使用額が生じた理由

研究の進行に伴い物品費および人件費が増加したため、前倒し請求を行った。その後、コロナ禍の影響で実験がストップし、次年度使用額が生じた。

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公開日: 2021-12-27  

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