若年者11例と高齢者10例の成功した緊急ブレーキ操作の比較において、高齢者では踏み換え操作全体を通してヒラメ筋の活動性が高く、大腿直筋では活動開始の遅延が認められた。関節運動に関しては、高齢者は股関節内転速度が遅く股関節の内旋によって踏み換えを実行している傾向であった。 次に、踏み間違いが発生した3例の操作を抽出した。Case1では、ヒラメ筋の活動性が不適切なタイミングで増加し、アクセルの踏み込みが認められた。Case2では、アクセルリリース後に前脛骨筋とヒラメ筋が同期して収縮と弛緩を繰り返し、足先の揺れが認められた。Case3では、股関節の可動範囲が狭く、両ペダルの踏み込みが認められた。
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