研究課題/領域番号 |
20K20260
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研究機関 | 医療法人福岡桜十字(桜十字先端リハビリテーションセンター SACRA) |
研究代表者 |
中村 壮大 医療法人福岡桜十字(桜十字先端リハビリテーションセンター SACRA), 医療法人福岡桜十字(桜十字先端リハビリテーションセンター SACRA), 研究員 (10639347)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 肩関節 / 体幹装具 / 表面筋電図 / 超音波診断装置 / 運動療法 |
研究実績の概要 |
本研究は、脳血管疾患者、高齢者、肩関節疾患者に対し良姿勢の構築と腹横筋などのインナーマッスルの活動も促す、抗力を具備した継手付き体幹装具トランクソリューション(以下、TS)を使用することで、その効果を肩甲骨の三次元的な動きの変化と肩関節筋活動量、肩峰下接触動態にて評価し、臨床応用として治療だけでなく機能・構造不全の予防を目指すものである。 姿勢による影響として、起立姿勢よりも前屈み姿勢では、上腕骨挙上における肩甲骨後傾や外旋の減少、肩甲骨挙上の増加が観察されることや、肩関節疾患者では、立位姿勢では頭部の位置が前方に突出していたことが報告されている。姿勢への治療方法としては、理学療法士により体幹や骨盤に対して徒手を用いて介助や誘導を行うことがあるが、体幹装具など姿勢を修正する機器を用いた肩関節への治療効果の検証は行われていない。 そこで本研究は、コントロール群として若年健常者、さらに脳血管疾患者、高齢者と肩関節疾患者を対象とすることで加齢や疾患による姿勢不良や疼痛、可動域制限などの特定の疾患者に対するTSの効果を明らかとした後に、臨床応用できる可能性が高い。 現在までに整形外科的既往歴がなく、神経学的にも問題のない健常男性6名6肩の測定を終了した。TS装着が肩関節外転動作における肩関節周囲筋活動に及ぼす影響を検証した結果、肩関節外転角度とTSの有無で三角筋の筋活動が異なるだけでなく、TSを装着した上で角度が増加すると、より大きく三角筋の筋活動量が増加することが明らかとなった。 TSを装着しながら運動療法を実施することで、より肩関節周囲筋の筋活動を高め効果的な運動療法を提供できると考える。本研究結果は、肩関節の機能・構造不全を予防することに有用であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020~21年度は、研究代表者の勤務地の変更や、コロナ禍により事前測定および対象者の募集・本測定の実施が困難であった。しかし、研究機器の確保や倫理審査委員会の承認を得ることはでき、健常者の基礎データも計測することができた。今後、COVID-19対策が長期間にわたって必要となることが予想されるため、対面とオンライン会議両方で実施可能な測定方法を検討する。得られた結果は、学会や論文投稿で発表する予定である。未使用額はその経費とする。
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今後の研究の推進方策 |
現在、研究の達成度が遅れているため、対象者の募集等、対応を実施する。また、得られたデータは早急に解析を行い、論文の執筆や研究発表などを積極的に行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究期間の延長:2022年3月15日
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