研究課題/領域番号 |
20K20272
|
配分区分 | 基金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
真鍋 祐子 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00302258)
|
研究分担者 |
金子 毅 聖学院大学, 政治経済学部, 准教授 (30383417)
李 美淑 立教大学, グローバル・リベラルアーツ・プログラム運営センター, 助教 (40767711)
藤岡 洋 東京大学, 東洋文化研究所, 助教 (80723014)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 富山妙子 / ポストコロニアリズム / フェミニズム / 民衆美術 / トランスナショナル連帯 / 越境 / 記憶 |
研究実績の概要 |
最終年度は本研究のまとめとして、以下にあげる4つの成果を社会に還元した。 第1に、光州MBCのドキュメンタリー「名も残すことなく」第1・2部の制作にあたり、富山妙子ならびに富山と日韓連帯運動をともにした日本人、および在日朝鮮人団体への取材に協力するとともに、研究代表者および分担者も取材に応じることで、富山を軸とした70~80年代の日韓連帯運動に関する研究の一端を韓国の視聴者に向けて発表した。 第2に、2020年が光州抗争40年、朝鮮戦争70年にあたったことで、韓国での展覧会や映像上映会に協力した。大韓民国歴史博物館「五月、その日がくれば」、国立現代美術館「見慣れぬ戦争」に富山作品を出品し、韓国映像資料院での光州関連映画上映会で「自由光州」を上映するなど、韓国の文化芸術イベントに協力することで研究成果を披露した。 第3に、2020年11月13日に光州5・18民主化運動記録館との共催で学術シンポジウム「越境する画家・富山妙子の生と芸術」をオンライン開催し、日韓同時通訳でライブ中継を行った。シンポジウムには研究代表者と分担者・協力者の3名、およびソウル大学の研究者が発表を行った。約70名のシンポジウム参加者を集めた。 第4に、2021年3月12日に延世大学校博物館との共催で富山妙子回顧展「記憶の海へー富山妙子の世界」(~2021年6月30日)を開幕し、それにあわせて学術シンポジウムをオンライン開催し、日韓同時通訳でライブ中継を行った。基調講演を含めて日本と韓国から3名ずつの演者が報告を行い、約140名の参加者を数えた。 第5に、共同研究の成果を「特集 世界史を越境する/世界史に共振する―画家・富山妙子の作品世界」として『東洋文化』101号で特集号を組み、12編の論文を収録した。日本と韓国だけでなくドイツ、メキシコ、アメリカからも著者を加え、富山妙子の芸術と思想の世界を総覧する内容となった。
|
備考 |
2020年11月13日に5・18民主化運動記録館と共催したシンポジウム資料集、および2021年3月12日に延世大博物館・国学研究院と共催したシンポジウム(および富山妙子回顧展)に関する情報。 研究協力者たちが富山妙子と共同で、作家・作品の紹介、展覧会・著作物等の案内、学術成果の発信等を目的とした富山妙子ホームページを制作した。
|