研究課題/領域番号 |
17H06186
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
矢野 桂司 立命館大学, 文学部, 教授 (30210305)
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研究分担者 |
塚本 章宏 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (90608712)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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キーワード | 日本の古地図 / ジオレファレンス / WebGIS / デジタル・ヒューマニティーズ / 大英図書館 |
研究実績の概要 |
2017年度は、ハーバード大学、京都市歴史資料館、京都府立京都学・歴彩館、立命館大学地理学教室の日本の古地図のデジタル化と、スタンフォード大学の外邦図(現在の日本の領域をカバーする5万分の1地形図と20万分の1帝国図)とカリフォルニア大学バークレー校の日本の古地図一部のダウンロードを行い、それらを日本版MapWarperにアップロードした。2018年度は、大英図書館(約400枚)とカリフォルニア大学バークレー校の日本の古地図(著作権の切れたもの)、そして、京都文化博物館の日本の古地図と日本の戦前の旧版地形図のうち、スタンフォード大学の外邦図に含まれないもののデジタル化と、ブリティッシュ・コロンビア大学の日本の古地図のダウンロードを行った。そして、それらの一部を日本版MapWarperにアップロードした(https://mapwarper.h-gis.jp/)。また、WMSを通して、ArcGIS Onlineや「ひなたGIS」などの他のWebGISでの活用も実現できた。 これらの収集された日本の古地図のメタデータを整備し、Webでの公開と日本版Map Warperへのアップロードを行った。これらの成果は、IGUケベックなどで発表した。 また、誰もが自由にGISを活用できるようにするために、ハーバード大学の空間解析センター(Center for Geographical Analysis; CGA)が開発した、WebベースのGISであるWorld Mapの日本版を試験的に構築し、日本版MapWarperとの連携をHHypermapの接合で行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大英図書館の日本の古地図のデジタル化が当初予定より1年遅れたが無事に達成できた。Peter Francis Kornicki(2011)『大英図書館所蔵日本古地図総合目録』をベースにデジタル化を行ったが、これに加え、ケンペルの直筆原稿や、目録にない古写真などが存在することから、それらのデジタル化を追加して行う計画である。今回は大英図書館の日本コレクションの初めてのデジタル化であり、これらを公開する価値は非常に高い。これらを見やすい形でWeb公開したい。 海外の日本の古地図は、メタデータが不完全なものも多くあり、日英のバイリンガルの形での整備が必要である。また、大きなサイズの古地図に関しては、解像度を保つために分割撮影されており、公開にはそれをマージした画像も作成する必要があり、それらの作業に時間を要する。
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今後の研究の推進方策 |
これまで多くの日本の古地図のデジタル化を行ってきたが、国内外で既にWebで公開されているものとの比較研究を実施したいと考えている。海外の古地図の方が保存状態が良い場合も多く、国内のものとの細かな比較研究を部分的にでも行いたい。 また、米国の議会図書館や、オランダのライデン大学図書館などには多くの古地図が所蔵されていることから、それらの日本の古地図のデジタル化や公開に関して、検討を行いたい。 さらに、本研究で開発した日本版Map Warperや日本版World Mapの公開を進め、その活用に関して広く啓蒙活動を実施していきたい。
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