本研究は、重力波の初検出を目指し、かつそれを達成した第二世代重力波望遠鏡の感度をおおよそ10倍程度改善することで、重力波波形の精密観測と、観測統計量の飛躍的増大を目指す第三世代重力波望遠鏡で想定される様々な要素技術のうち、第二世代重力波望遠鏡開発までに培われた鏡基材と薄膜製造技術を完全に刷新する技術に関する研究である。結果、第三世代重力波望遠鏡の鏡基材として想定される、高品質シリコン基材、サファイア基材の入手の可能性が高まり、かつ結晶性コーティングに関しては、現有の製造原理や手法、そして、損失の修正手法に問題はなく、大口径化に特化した大型装置の開発の必要性が改めて強く認識された。
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