研究課題/領域番号 |
20K20287
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補助金の研究課題番号 |
17H06206 (2017-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2017-2019) |
研究分野 |
天文学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田村 陽一 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (10608764)
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研究分担者 |
川邊 良平 国立天文台, 科学研究部, 教授 (10195141)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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キーワード | 電波天文学 / 補償光学 / ミリ波 / 電波望遠鏡 / 計測工学 |
研究成果の概要 |
電波望遠鏡の建設に際し鏡面精度を担保したままアンテナを大口径化・高周波化することは、あらたな天文学領域を開拓するうえで重要である。本研究では、既存あるいは将来の地上ミリ波サブミリ波望遠鏡に搭載し、風負荷・熱変形・重力変形による鏡面精度の低下を実時間で補償する光学システム 「ミリ波補償光学」の基礎研究を行った。本研究では、電波天文学のネイティブな波面計測技術である開口合成干渉法を利用した波面計測システムを提案し、低周波数(20GHz)かつ少数素子(5素子)の波面計測システムを開発し、野辺山45m望遠鏡に搭載した。この結果、8 μm r.m.s.の精度で実時間の波面測定が可能なことを実証した。
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自由記述の分野 |
電波天文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミリ波・サブミリ波は、あらゆる天体の材料であるガスや塵や、高温のプラズマの検出に長けている。ミリ波補償光学の実現は、将来の大型サブミリ波望遠鏡の実現に直結し、引いては世界最大のサブミリ波干渉計ALMAと同等の集光力を持ちながら、視野を10^6倍に、分光帯域幅を10^2倍に拡大する、電波天文学の悲願ともいえる宇宙探査性能の獲得につながると期待される。これは、惑星科学、星形成論、星間化学、宇宙マイクロ波背景放射や銀河・銀河団の探索とそれを用いた宇宙論研究など、波及効果が高い。本研究成果は、既存・将来のミリ波・サブミリ波望遠鏡の大型化・高周波化に分け隔てなく応用し、性能を向上させることが可能である。
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