研究課題
電気エネルギーと機械エネルギーの相互変換の基礎理論は、電束電流が無視できる数十kHz以下の低周波数帯域において概ね確立しており、その応用機器であるモータや発電機は我々の生活に必要不可欠のものとなっている。モータや発電機は主に磁気回路を構成する鉄心と起磁力を発生させる銅線からなるため軽量化が難しい。本研究では、電気-機械エネルギー変換の基礎理論を原理から見直し、数MHz~数GHzまで駆動周波数を高周波化した場合の相互エネルギー変換理論の確立とその実験検証を目的とする。これは電気-機械エネルギー変換の原理を高周波に拡張するものであると同時に、ワイヤレス電力伝送の原理を機械エネルギー変換も扱えるように拡張するものであり、低周波数帯域から高周波数帯域まで現象を統一的に扱う新しい電気-機械エネルギー変換工学を開拓し、鉄心や銅線を用いない超軽量なモータや発電機の実現を目指すものである。4年目の2020年度は、矩形導波管および誘導機の原理に基づいてマイクロ波モータの実現に要求される磁界分布について検討し、可動子の進行方向へ進む進行波により電磁力が発生することを示した。導波管の分岐を利用して所望の位相差を得るように固定子および可動子モデルの設計を行った。有限要素解析シミュレーションにより、入力電力1000W、周波数2.45GHzのマイクロ波を固定子に入力し、約2μN の力が発生できることを確認した。以上の成果を、3件の国際会議論文(査読あり)、1件の国内会議論文として発表した。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
proc. IEEJ Int. Workshop on Sensing, Actuation, Motion Control, and Optimization
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proc. Int. Conf. on Electrical Machines and Systems
10.23919/ICEMS50442.2020.9291149
proc. IEEE Energy Conversion Congress and Exposition
10.1109/ECCE44975.2020.9236068