研究課題/領域番号 |
20K20289
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補助金の研究課題番号 |
17H06211 (2017-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2017-2019) |
研究分野 |
電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
小野 行徳 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (80374073)
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研究分担者 |
Moraru Daniel 静岡大学, 電子工学研究所, 准教授 (60549715)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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キーワード | トランジスタ / シリコン / エネルギー消費 / 電子・電子散乱 / フォノン |
研究成果の概要 |
3個の電流端子を有するシリコン・ナノトランジスタの電流入出力特性を調べ、電子・電子散乱に起因する電流増幅効果を見出した。これは、高速(ピコ秒以下)で起こる電子同士の多重散乱により、チャネルおよびドレイン端で支配的となる電子・フォノン散乱を避けて入射電子のエネルギーを他の電子に伝達できることを示すものである。また、Silicon-on-insulator MOS2次元電子系において、電子間相互作用に起因した金属絶縁体転移がゲート制御可能であることを示すとともに、シリコン・エサキダイオードにおいて良好なフォノン放射トンネル電流、およびゼロバイアスにおける新奇クーロンギャップの観測に成功した。
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自由記述の分野 |
シリコンをベース材料としたナノエレクトロニクス
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電子デバイスのエネルギー消費を低減するためには、電子系から格子系へのエネルギー散逸機構を調べこの散逸を回避することが重要となる。本課題では、電子・フォノン相互作用によるフォノン放出を調べるための基盤技術を確立するとともに、電子・フォノン散乱と競合する電子・電子散乱について詳細検討を行った。その結果、電子・電子散乱を有効に働かせることにより、電子・フォノン散乱を避けて付加的な電源電圧なしに入力電流を増幅できることを示した。これらの成果は、新たな低消費電力トランジスタの開発に道を開くものである。
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