研究課題/領域番号 |
20K20292
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配分区分 | 基金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
杉浦 元亮 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60396546)
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研究分担者 |
佐藤 翔輔 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (00614372)
新国 佳祐 新潟青陵大学, 福祉心理学部, 助教 (60770500)
邑本 俊亮 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (80212257)
本多 明生 静岡理工科大学, 情報学部, 准教授 (80433564)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 脳・神経 |
研究実績の概要 |
今日の防災は、対象とする「災害」を想定可能な単一災害から予測不能な複合災害へ、また対象とする「災害のフェーズ」を発災・応急時対応から復興へ、と視野を拡大しつつある。これに対する防災教育的対応は、多様な状況・文脈に柔軟・創造的に対応することが可能な多面的な力を持った人を育てる発想が必要である。本研究では、申請者らが東日本大震災以来進めてきた災害人間科学研究「災害を生きる力」8因子(気持ちを整える力・問題に対応する力・人を思いやる力・きちんと生活する力・人生を意味付ける力・人をまとめる力・生活を充実させる力・信念を貫く力)を発展させ、その工学的な教育技術開発の学術基盤を整備する。2020年度は、各因子の背景認知プロセス理解のため個人特性との関与を分析し、ダークトライアド、レジリエンス、自己主体間との関連を明らかにした他、社会的状況の知覚過程の階層性や、高齢者が抱く自らの死への恐怖の個人差、利他行動と人を思いやる力の関係、困難に立ち向かう意思決定と信念を貫く力の関係について、機能的MRIを用いた脳活動計測で明らかにした。生きる力8因子を向上させる防災・復興教育プログラムについて,コロナ禍を受けてオンライン化し,その介入効果を比較したところ,前者プログラムに比べて,向上効果が著しく低くなることを確認した。学び手が伝え手になる防災教育・災害伝承システム構築の試みについて、前年度の取り組みを継続・発展させ、メディア報道や書籍出版につながった。昨年度までの成果のうち東日本大震災後の応急対応、復興期の住宅再建や心の復興と生きる力因子の関係について論文が国際学術雑誌で査読中である。
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