多様な配位多面体による新型イオン伝導体の創製

2020 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20K20293
• 補助金の研究課題番号: 17H06222 (2017-2019)
• 研究種目: 挑戦的研究(開拓)
• 配分区分: 基金 (2020); 補助金 (2017-2019)
• 研究分野: 材料工学およびその関連分野
• 研究機関: 東京工業大学
• 研究代表者: 八島 正知 東京工業大学, 理学院, 教授 (00239740)
• 研究期間 (年度): 2017-06-30 – 2021-03-31
• キーワード: イオン伝導体 / 結晶構造解析 / 中性子回折 / 結合原子価法 / 新物質探索

研究成果の概要

本課題では，5配位や7配位，複数の混合配位など今までイオン伝導体として注目されてこなかった新型イオン伝導体を探索した。新酸化物イオン伝導体であるBa1+xNd1－xInO4－x/2, BaHo2ZnO5, Ca3Ga4O9, BaGdInO4系材料, Ba7Nb3.9Mo1.1O20.05などを発見した。特に300℃でBa7Nb3.9Mo1.1O20.05の伝導度は最も高い酸化物イオン伝導度を示す物質の一つ酸化ビスマス固溶体の伝導度よりく、広い酸素分圧下で安定な、優れた希土類フリー伝導体である。四面体酸素O1と八面体酸素O5が交換して極めて高い酸化物イオン伝導度を発現する新物質を発見できた。

自由記述の分野

無機材料物性

研究成果の学術的意義や社会的意義

持続可能な開発目標SDGsの目標7「エネルギーをみんなに　そしてクリーンに」を達成するには、クリーンで効率が高く安価な燃料電池を開発する必要がある。本課題では燃料電池、センサー、電池および触媒の候補となる様々な新イオン伝導体を発見した。多くの新型イオン伝導体を発見したことは、化学、材料、エネルギー・環境分野における新しい可能性を切り開くものとして学術的に意義深い。特に発見したBa7Nb3.9Mo1.1O20.05の伝導度は高く、安定性と資源の観点で優れている。安価な燃料電池の開発につながる可能性がある。したがって持続可能な開発目標SDGsの目標7を達成するために意義深い成果である。