研究課題/領域番号 |
20K20294
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木村 崇 九州大学, 理学研究院, 教授 (80360535)
|
研究分担者 |
松井 淳 九州大学, 理学研究院, 講師 (10274424)
大西 紘平 九州大学, 理学研究院, 助教 (30722293)
鴇田 昌之 九州大学, 理学研究院, 名誉教授 (80163963)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 流体制御 / 接触角 / 微細パターン / フリンジ磁界 |
研究実績の概要 |
今年度は、マイクロキャピラリーの系を変化させ、各種パターン上の接触角の時間変化をより詳細に考察した。パターン周期の微細化に伴い、接触角が増大することは、すべての水滴サイズで観測されたが、最小のキャピラリーを用いて、水滴のサイズを30ミクロン程度にした場合、接触角は、水滴の落下直後から減少をはじめ、結果として、接触角が、水滴サイズが大きい場合と比べて、小さくなっていることが確認できた。更に、微細パターンに大きなアスペクト比を施した場合、細線長手方向と細線短手方向の接触角を違いを調べた結果、大きな異方性が確認された。これは水滴が溝に沿って流入したことによるものと思われる。更に、微細パターンの境界付近において、水滴が大きくはじかれる現象が確認された。これらは一連の結果は、新しい流体制御の可能性を示唆しており、より詳細に調べる予定である。上記は、従来のシリコン基板上の構造に関してであるが、これまでに得られた磁性体パターンの考察と組み合わせることで、より制御性の高い革新的流体制御技術の開発を目指す。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナの影響により、実験計画の遅延は、否定できないが、境界部における新しい撥水効果の発見や接触角の時間変化の考察など、新たな実験結果が得られており、その結果で、全体の遅延を補っていると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、水滴や接触角のダイナミクス、それらに対するフリンジ磁界の影響を考察するが、水滴のダイナミクスに関して、現有の高速カメラでは、16ミリ秒のフレームとなっておりより高い時間分解能での観測が、更なる現象の解明につながると考えている。また、数値計算においても、水滴のダイナミクスを系統的に計算する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍による研究活動の制限
|