研究課題/領域番号 |
20K20297
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補助金の研究課題番号 |
17H06242 (2017-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2017-2019) |
研究分野 |
生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
石井 則行 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (10261174)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 細胞外小胞 / エクソソーム/エキソソーム / マイクロベシクル / 生体分子 / ナノコロイド / 透過型電子顕微鏡 / ランタノイド酢酸塩 / 動的光散乱 |
研究成果の概要 |
エクソソームは細胞間コミュニケーションに重要な細胞外小胞(EVs)で、マイクロベシクルと区別が難しい。本研究では、多胞体(MVBs)に焦点を当て、透過型電子顕微鏡法を用いて、エクソソームの分離、分画・調製を最適化した。塩を殆ど含まないビス-トリス緩衝液条件下での分画により、~50 nmの特異的な集団が観察され、さらに免疫電子顕微鏡法によってCD63の存在も確認された。一方で、EVsの分画・調製を密度勾配超遠心分離法から限外ろ過法へ移行を試み、再生セルロース膜を用いた連続法が有効であることを示した。最適な条件下でのインタクトなEVsの分離と特性解析は、医学生物学的応用のための重要な基盤となる。
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自由記述の分野 |
生物物理学、物性基礎、電子顕微鏡解析
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞外小胞(EVs)をナノコロイドとして認識し、医学生物学分野で見過ごされていた物理化学的課題を明らかにしました。電子顕微鏡法による条件最適化で、EVsを細胞から放出されたインタクトな状態で分離・調製する条件を確立しました。エクソソーム(small EVs)研究の共通基盤として幅広く活用が期待されます。さらに、限外ろ過法の連続的適用を考案し、その過程でsmall EVsにも赤血球のような変形能が示唆されました。レオロジー的な解明が望まれます。EVsに適した電子染色試薬の開発も進めました。EVsの研究は、細胞間通信の理解、疾患の診断・治療、薬物送達、生態系への影響等に革新的な貢献が期待されます。
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