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2020 年度 実績報告書

分泌蛋白質の拡散速度の時空間制御

研究課題

研究課題/領域番号 20K20304
配分区分基金
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

猪股 秀彦  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (60372166)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2021-03-31
キーワードモルフォゲン / 濃度勾配 / 時空間制御
研究実績の概要

本研究では、濃度依存的に胚細胞に位置情報を付与する分泌タンパク質モルフォゲンの新規時空間制御系の開発を行っている。これまでに、分泌タンパク質の空間分布を制御する手法はin vitroの系で開発が行われているが(マイクロ流体デバイスなど)、胚内の分布制御系に関してはほとんど解析が行われていない。前年度までに、(1)人工マトリックスを用いた制御系、(2)人工レセプターを用いた制御系、の二通りの方法を解析してきた。その結果、人工レセプターを用いた手法がより効率的に機能することを示した。
今年度は人工レセプターを用いて、in vivoにおけるモルフォゲンの時空間制御系の開発を進めた。本研究で用いる光受容タンパク質は、補因子としてフラビン化合物を必要とするが、細胞内に豊富に存在するフラビンは細胞外には殆ど存在しない。したがって、予め細胞外にフラビン化合物をインジェクションする必要がある。しかし、フラビン化合物は光により分解されやすく、発生制御には長時間の光照射が必要である。フラビン化合物、光照射条件を検討した結果、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)を用いてパルス状の光照射により長時間光制御可能であることが判明した。この条件で、ゼブラフィッシュ胚を用いて中胚葉誘導因子(Ndr1)を光依存的に局所に集積させた結果、異所性の中胚葉誘導(Ntlの発現上昇)がみられた。この中胚葉誘導が、Ndr1シグナルの活性化に起因することは、Ndr1のレポーターアッセイである3xARE-Lucベクター、あるいはNdr1の下流に存在するSmad2-RFPの核移行により評価した。一方、モルフォゲンを胚内で動的に制御可能か光を右から左に遷移させたところ、直線波様の進行波が胚内に構築された。以上の結果は、本手法が分泌タンパク質モルフォゲンを胚内で動的に時空間制御できることを示している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Challenge to technological breakthrough for a more in-depth understanding of complex biosystems2020

    • 著者名/発表者名
      Inomata Hidehiko
    • 学会等名
      第43回 日本分子生物学会年会
  • [図書] 生体の科学2021

    • 著者名/発表者名
      猪股秀彦
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      医学書院

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公開日: 2023-12-25  

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