研究課題/領域番号 |
20K20310
|
配分区分 | 基金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
神谷 研二 広島大学, 医療政策室, 特任教授 (60116564)
|
研究分担者 |
河合 秀彦 広島大学, 医系科学研究科(薬), 准教授 (30379846)
笹谷 めぐみ (豊島めぐみ) 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (80423052)
林田 耕臣 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (10882061)
神代 紗央理 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (60882058)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 老化 / 健康寿命延伸 / 放射線持続照射 / モデルマウス / 細胞老化関連分泌形質(SASP) |
研究実績の概要 |
本研究では、senescence-associated secretory phenotype(SASP)と呼ばれる現象に着目し、老化誘導が可能な実験マウスモデルを開発し、健康寿命を延伸する技術の創出基盤の確立を目指す。今年度は、以下の研究実施計画1)~3)に基づいて研究を行った。
研究計画1)マウス生体内細胞老化の解析:マウス生体内での老化細胞の検出系を開発するため、老齢マウスを用いて、小腸組織の幹細胞およびその微小環境における老化現象について解析を行った。その結果、マウス小腸幹細胞を取り巻くニッチェ細胞の増加および、間葉系細胞層の肥厚が観察された。 研究計画2)老化細胞SASP制御マウスの開発:昨年までに、老化細胞SASP制御を可能にするマウスを作成することを目指し、組織特異的に老化を制御する遺伝子改変マウスを導入した。得られたマウスの血清を用いて、老化細胞で分泌が変化すると報告されているサイトカインの発現量を計測した。 研究計画3)持続放射線照射環境での老化抵抗性マウスの開発:昨年までに老化抵抗性マウスを開発するための老化関連遺伝子を制御するマウスの作成を行った。得られたマウスを用いて、各組織における老化関連遺伝子の発現量を測定し、老化関連遺伝子の発現がほぼ全ての組織において変化していることを明らかにした。現在、このマウスの平均寿命の観察を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までに、マウス生体内細胞老化を検出するため、若齢マウス、老齢マウスを用いて、マウス小腸組織における老化細胞を検出する方法を確立することに成功したため。また、健康寿命を延伸する技術の創出基盤の確立のため、老化を制御することが可能なマウスおよび、老化細胞SASPを制御することが可能なマウスの搬入、作成を行ったため。
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度までに確立したマウス細胞内老化検出系を利用し、本研究課題で得た老化関連遺伝子制御マウス、老化細胞SASP制御マウスを用いた解析を用いることにより、マウス小腸組織における細胞老化を経時的に観察する。さらに、持続放射線照射環境下における照射実験を開始することにより、本研究で得られたマウスの平均寿命および小腸組織の細胞老化を観察する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当該研究所に設置されている持続放射線照射を行うための実験施設および、動物飼育施設の移転があったため、次年度行う予定にしていた実験系の条件検討を今年度行い、今年度行う予定としていた多数のマウスを用いた実験を次年度に行うこととしたため。
|