研究課題/領域番号 |
17H06290
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鈴木 健嗣 筑波大学, システム情報系, 教授 (30350474)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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キーワード | 人支援ロボティクス / 生体信号処理 / 顔面神経麻痺 / 表情生理計測 / 診断支援技術 |
研究実績の概要 |
本研究は,表情表出の理解の深化と拡張のためのロボットマスクの実現という目的に沿って, (1)表情表出の意志抽出技術,(2)表情表出の形態的変位計測,(3)表情表出の物理的動作支援 という明確なサブテーマを同時に推進して提案手法の基盤技術を深化させるとともに,実証実験・臨床応用を通じて先進技術を社会実装するために大きく発展させる挑戦的研究である. 今年度は,(1)表情表出の意志抽出技術:生体電位信号に基づく装着型機器による表情表出の意志抽出において,基礎的な表情筋活動計測に関する成果が得られた.提案手法は,顔側より顔表面中に伝搬する生体信号(表面筋電位:distal EMG)を1.0 kHzで取得し,独立成分分析(ICA)と機械学習(ニューラルネットワーク)により表情を推定するため,規範となる学習データの取得が重要となる.さらに,(2)表情表出の形態的変位計測:誘電体である顔面皮膚上を媒体として形態的な変位を取得においては,まずは画像計測を用いた基礎的な成果が得られたとともに,フェイスマスクの開発に着手している.(3)表情表出の物理的動作支援技術:ロボット技術を応用した装着型表情支援装置においても成果が得られた.ここでは,開眼・閉眼動作を支援するメガネ型のインタフェース開発を行う.健常側の動作をトリガーとして,麻痺側の開眼・閉眼動作を支援するものであり,まぶたの開閉にあわせたゴム上の柔軟素材を動作させる機構を構成する.この開発に関する研究で一定の成果が得られている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3つのサブテーマを同時に推進して提案手法の基盤技術を深化させるとともに,実証実験・臨床応用のそれぞれで一定の成果を得ており,順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
表情表出の理解の深化と拡張のためのロボットマスクの実現という目的に沿って,引き続き (1)表情表出の意志抽出技術,(2)表情表出の形態的変位計測,(3)表情表出の物理的動作支援のテーマについて研究を行っていく.協力機関である大阪警察病院に加え,本学附属病院とも連携して研究を推進する予定である.
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