研究課題/領域番号 |
20K20315
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配分区分 | 基金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
多田 千佳 東北大学, 農学研究科, 准教授 (30413892)
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研究分担者 |
関口 貴子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (50738086)
高橋 英志 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (90312652)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | メタン菌 / カソード電極 / 微生物燃料電池 / 付着性 / 表面処理 / CNT / 分散 / 配向 |
研究実績の概要 |
本研究では、人為的・自在にメタン菌の電極表面へ整列・付着させる技術『微生物プリンター』を確立することを目標とし、まず、化学的表面修飾や生物的付着を活用した①メタン菌の着メカニズム解明とともに、②プリンターインクとなるメタン菌付着力の高いカーボンナノチューブ分散液の開発、③インク原料のメタン菌を簡便かつ短時間で外環境から選択的に集積できる技術を開発し、高性能電極を作製することを目的に研究した。その結果、①高温性水素資化性メタン菌のMethanothermobacter thermoautotrophicusは、電極表面のCOOH基:OH基比が1:0.65のとき、よく付着することがわかった。②単層CNTの中では、スーパーグロースCNTへの付着が、結晶性の高いeDIPS-CNTに比較してより多く付着し、分散剤にはBSA 0.5 mg/L添加が適していた。③-600mV(Ag/AgCl)の電位で印加した場合、培養2日で印加しない場合の10倍メタン菌が電極に付着した。さらに、NaOH処理により、2倍高密度にメタン菌が付着した電極の微生物燃料電池では1270mA/m2に達し、通常の7.5倍高い結果を得た。これより、メタン菌の高密度付着により、高性能の微生物燃料電池を製作できることが明らかとなった。また、電極の配向により、配向しないものに比較して、微生物量が1/10でも同程度のメタン変換速度を得られ、電極の配向性も性能向上に重要なこと、また、分散によっても微生物量が1/10でも同程度のメタン生成を得たことから、基質との接触率を高めることも効果的であることが明らかになった。また、分散は、CNT酸化処理に比較して、BSA分散の方が、メタン菌の増殖、メタン生成も高いことから、今後、3Dプリンターのインクにアプライする上では、SG-CNTのBSA分散が望ましいことが明らかとなった。
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