研究課題/領域番号 |
18H05305
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐々木 亨 北海道大学, 文学研究院, 教授 (80292308)
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研究分担者 |
後藤 和子 摂南大学, 経済学部, 教授 (00302505)
源 由理子 明治大学, ガバナンス研究科, 専任教授 (10468829)
林 勇貴 大分大学, 経済学部, 准教授 (00806614)
佐久間 大輔 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 学芸課, 学芸課長代理 (90291179)
北村 淳一 三重大学, 生物資源学研究科, リサーチフェロー (00432360)
関谷 泰弘 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 総務課, 専門職員 (80727397)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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キーワード | 評価 / ミュージアム / 社会的価値 / 事業改善 / 実践研究 |
研究実績の概要 |
1.評価の実践 2019年度において、評価学に基づいた、事業改善につながるロジックモデル(セオリー評価)を活用した評価設計のためのワークショップ(WS)の開催、およびセオリー評価の実践を以下の4施設で行った。1)滋賀県立琵琶湖博物館:2019年11月から約8ヶ月間、リニューアルのためA・B展示室を閉鎖した。リニューアル前の10月に、展示室での「直接アウトカムアウト」実現度などを測定するアンケート調査を両展示室で行った(合計1367サンプル収集)。リニューアル後はその効果を測定する調査を予定。2)三重県総合博物館:2020年度から始まる第3期中期計画の作成に向けて、評価指標を検討するために、ロジックモデルを用いて事業構成を再検討するWSを開催した。3)観音崎自然博物館(神奈川県横須賀市):中期計画の作成に向けて、事業構成を再検討するためにロジックモデルを構築するWSを開催した。4)札幌市芸術文化財団が指定管理者である札幌コンサートホールKitara:札幌市の文化政策に係る評価指標策定の一環として、ロジックモデルを用いて事業構成を再検討するWSを開催した。2020年度も引き続き、同財団が管理する施設において開催予定。 併せて、経済学に基づいた、ミュージアムの社会的価値を明らかにするために、外部便益測定調査を実施する施設を検討した結果、大阪市立自然史博物館で2020年度に実施する了解を得た。 2.評価事例の収集とデータベース化の検討 2018年度から継続してきた、国内の公立ミュージアムやそれを所管する自治体のHPから収集した、または直接訪問して収集した評価事例が約200件集まった。これらの評価事例と本科研費において実践した評価事例を、最終年度にデータベースとして公開するが、そのあり方などについて調査し、準備を進めた。併せて、評価事例に関するメタ評価を開始し、継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「1.評価の実践」は計画通りに進んだ。 一方、「2.評価事例の収集とデータベース化の検討」のうち、収集した評価事例のメタ評価は2019年度に完成しなかった。しかしながら、この作業は最終年度である2021年度に公開予定のデータベースのあり方やタイプと密接に係わるため、2021年度まで修正しながら、作業を継続する予定である。 併せて、本科研費で購入したミュージアム評価などに関する国内外の図書・報告書・論文も最終年度に向けて、データベース化の準備を継続している。
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今後の研究の推進方策 |
評価学に基づいた、事業改善につながるロジックモデルを活用した評価に関しては、十分な数の施設で評価実践を行うことができた。 一方、経済学に基づいた、社会的価値を明らかにする外部便益測定調査は2020年度に初めて実施する。そのため、予備調査を含めて、十分な時間と実施予定の大阪市立自然史博物館との打ち合わせを重ねた上で、調査設計し、調査を実施する。併せて、同調査に関心を持っている他の施設から調査実施希望を受けており、予算と時間を考慮して慎重に検討する。 今年度から、4カ年の本科研費(2018~2019年度:18H05305、2020~2021年度:20K20326)の後半に入る。そのため、最終年度に公開する「ミュージアム評価に関するデータベース」構築に向けた作業に徐々にシフトしていく。併せて、最終年度の活動である「新たな評価手法の普及と定着」に向けた具体的計画の検討も始める。
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