研究課題
2018年度には、高速道路での合流場面を取り上げ、認知モデルに、他車の意図推定を行うモジュールを組み込むことで、他車の行動予測を踏まえて、よりスムーズに合流が行えるようになることを、シミュレーションをとして検討した。また、2019年度においては、シミュレーションの結果の妥当性を検討するために、ドライビングシミュレータを用いた実験を行った。2020年度から2021年度にかけては、これらのモデルをさらに精緻化するとともに、実験結果を詳細に分析することで、研究結果を確定し、成果報告として公刊することに取り組んだ。両者ともに、その領域のトップジャーナルに論文投稿済みであり、現在査読中の状況にある。さらに、これらの研究をより発展させるために、Shared space(共有空間)におけるインタラクション行動に関する実験を行った。具体的には、以下の通りである。モビリティ技術の発展により、共有空間という概念が生まれた。共有空間では、モビリティと歩行者が一つの移動空間を共有する。従来の両者が分離された空間と比較して、共有空間では、すべてのエージェントが、自由に移動できるため、制約が少なく、より協調行動が重要となる。移動に伴う協調行動の性質を明らかにするために、自己コスト、他者メリット、自己ロスの指標を用いた実験を行った。その結果、緊急性のない行動を促された場合と比較して、協調行動を求められた場合には、他人の邪魔にならないように頻繁に速度や方向を変え、より早く目的地に到達することが明らかになった。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)
Proceedings of the Annual Meeting of the Cognitive Science Society, 43(43)
巻: 43 ページ: 2444-2449