研究課題/領域番号 |
20K20347
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配分区分 | 基金 |
研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
高井 研 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門, 部門長 (80359166)
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研究分担者 |
山本 正浩 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究プログラム), 研究員 (60435849)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 電気合成 / 独立栄養生物 / 化学合成 / 光合成 / 物質循環 |
研究実績の概要 |
2019年度までに現場環境での電気合成微生物群集を効率的に集積・培養するための方法論としてスタンドアローン型定電位保持電極システムを開発し、深海熱水域および沿岸海水での集積・培養を実施した。またLinear Sweep Voltammetry(LSV)測定と呼吸鎖阻害剤添加による代謝活性阻害操作とを組合わせた電子取込み活性評価法を開発し、現場電気集積培養実験で得られた集積サンプルをそのまま評価できる実験法の確立に成功し、深海熱水域および沿岸海水での現場電気集積培養実験試料に対して電子取込み活性評価実験を行い、集積微生物群の電気合成能を示唆する明確な電子取込み活性を検出した。2020年度は、深海熱水域および沿岸海水での現場電気集積培養実験によって、電気合成代謝能や一次生産量および採取された様々な試料に対する遺伝子・分子マーカーを用いた自然環境中の電気合成微生物群集の時空間分布の定量化を目指し、沿岸海水での実験において電子取込みを確認した試料について、微生物群集構造の遺伝子系統解析を行い、優占する電気合成微生物候補の系統とそれらの培養実験期間中の変遷についての知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
世界的な新型コロナウィルス感染症の拡大を受けて、大幅な出勤制限や実験消耗品の取得の遅れなどが生じたことだけでなく、微生物群集構造の遺伝子系統・機能解析に必要なポスドク研究員の雇用の遅れや転出等の事由が発生し、研究進展は当初の計画よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度の現場環境電気合成微生物集積・培養実験の微生物群集の構造・機能解析の進展に遅れが生じたために、研究計画を修正・変更し、補助事業期間を延長した。新たなポスドク研究員を雇用し、現場環境中の電気合成微生物群集の時空間分布の定量化を進め、自然環境中での電気合成微生物生態系の存在と機能の証明を達成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
世界的な新型コロナウィルス感染症の拡大を受けて、大幅な出勤制限や実験消耗品の取得の遅れなどが生じたことだけでなく、微生物群集構造の遺伝子系統・機能解析に必要なポスドク研究員の雇用の遅れや転出等の事由が発生し、当初予定していた人件費の使用額が大きく減じた。新たなポスドク研究員を雇用する人件費として使用予定である。
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