研究課題/領域番号 |
20K20352
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配分区分 | 基金 |
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
山田 正 中央大学, 理工学部, 教授 (80111665)
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研究分担者 |
安田 浩保 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 准教授 (00399354)
山田 朋人 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (10554959)
森島 邦博 名古屋大学, 理学研究科, 特任助教 (30377915)
平川 大貴 中央大学, 理工学部, 教授 (40372990)
前田 健一 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50271648)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ミュー粒子 / 土木構造物の可視化 / 防災対策技術の開発 / 探査技術の開発 / 検出器の改良 |
研究実績の概要 |
近年の極端降水現象により甚大な河川災害が繰り返されている。河川災害は、越流破堤と浸透破堤が二大要因であり、この現象を解明するためには河川堤防の幾何形状と内部状態を空間的に連続して把握することが求められるが、既存の計測技術では不可能である。これに対し、近年注目されている宇宙線ミュー粒子を活用した探査技術を導入し、半導体技術を用いることで継続時間の大幅な短縮と形状の自由度を達成できる新たな可視化技術の確立を目的としている。 今年度は最終年度として、研究課題として設定した①~④を全て達成した。 研究課題①ミュー粒子による検出器の計測対象の検討:協議の結果、宇宙線の特性を考慮して計測器を設置することが重要だとわかった。堤防の内部構造を可視化するためには樋門・樋管など、鉛直方向のミュー粒子を補足できる場所に設置することが望ましい。また、山体の内部構造を計測するためには、粒子特性を考えると年単位での長時間計測、或いは計測器の大型化が必須要件であり、本計測器に適している土被りは3m程度との結論に至った。 研究課題②既存の同時計測型の検出器による試験計測:申請者らが独自に構築した同時計数型のミュー粒子検出器を用いて、河川堤防の形状把握と内部構造の可視化を実現した。その結果、約8時間程度の観測で堤防形状を捕捉できることがわかった。 研究課題③光半導体型のミュー粒子検出器の設計と試作:小型検出器を製作しその精度を検証した結果、土槽の内部構造を可視化できる宇宙線を補足できる精度があることを確認した。 研究課題④土木構造物の内部構造可視化技術の確立:以上の研究結果から、開発した計測器は相応の精度をもち今後の土構造物の可視化に有用である。非破壊での計測が期待されている土構造物に適用できる可能性があると同時に、浸水状況の可視化にも成功したことから洪水時の影響を確認するための計測器としても適用できる可能性がある。
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