• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

船体脆性き裂伝播停止性能の飛躍的改善をもたらすミクロ組織および構造設計の新視点

研究課題

研究課題/領域番号 20K20354
配分区分基金
研究機関東京大学

研究代表者

川畑 友弥  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50746815)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2021-03-31
キーワード脆性亀裂伝播 / アレスト / 破壊力学 / 鉄鋼材料 / 船舶安全性
研究実績の概要

世界の物流を支えるコンテナ船では脆性き裂の発生のみならず一旦伝播したき裂を短い距離の間に伝播を停止させる脆性き裂伝播特性が求められる。同特性は材料靭性を高めることで対処されているが、現状TMCP法の限界まで厚肉化が進んでおり、さらなる大型化の要望に応えるためには、現状技術延長では材料コストが極端に高騰し実現が難しい。この問題点を打破すべく逆転の発想とも言うべき新しい安全性向上方策を提案するための3項目の基礎的破壊力学検討に挑戦している。

①基礎的検討(樹脂):樹脂材料の検討結果をさらに拡充し、多くの検討を行った。学術的に価値の高い多くの成果を得た。・破面粗さの決めてとなるマイクロブランチとブランチ亀裂の継続性については負荷モードの影響を強く受けることが改めて判った。このことを強く支える理論を構築した。・併せて実施したFEM解析の結果、Kd値と破面粗さ(散逸エネルギー)の強い相関がみられた。
②基礎的検討(鋼材):鋼についてのディンプル付き曲げ試験を実施。伝播速度の低下や粗さの増加が確認できた。引張モードについては実験室小型試験機での再現は挑戦を続けたがやはり難しかった。
③安全性向上策検討:9%Ni鋼を用いたESSO試験を実施。非ディンプル加工材のESSO試験と同条件にてディンプル材のESSO試験を実施した。亀裂を停止させるには至らなかったが、亀裂伝播速度を低下させることができた。また、確かに予想の通りディンプル材では破面粗さが大きいことが判った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Simplified prediction method of Stress Intensity Factor in mid-thick plane in 3D cracked body and its difference from 2D handbook formula2021

    • 著者名/発表者名
      Tomoya Kawabata, Hiroaki Kosuge, Takumi Ozawa and Yoshiki Mikami
    • 雑誌名

      Journal of Testing and Evaluation

      巻: TBD ページ: TBD

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Numerical simulation and experiment on brittle fracture surface morphologies in steel2020

    • 著者名/発表者名
      Shuji Aihara,Tetsuya Namegawa,Fuminori Yanagimoto,Tomoya Kawabata
    • 雑誌名

      Quarterly Journal of the Japan Welding Society

      巻: 38-3 ページ: 134-146

    • DOI

      10.2207/qjjws.38.134

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi