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2018 年度 実績報告書

ナノ粒子応用SiC結晶の超高速液相エピタキシー

研究課題

研究課題/領域番号 18H05338
配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

吉川 健  東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (90435933)

研究分担者 宮川 鈴衣奈  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10635197)
堀池 巧  東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (10774119)
研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2021-03-31
キーワード液相成長 / 合金溶液 / エピタキシー / ナノ粒子
研究実績の概要

①エピタキシャル成長速度の決定因子の解明
液相としてSi, Si-Cr合金を用いたSiC微粒子-合金混合体からのSiC結晶上へのエピタキシャル成長条件の検討を行った。沿面成長を得るために種々の粒度の粉末を調整して作製した混合体の事前熱処理条件(加熱雰囲気、温度条件)の検討を行い、特に粉体の酸化を抑制し、混合粉体から液相が基板に均一に接着する好適条件を見出した。加えて、Si合金粉末と各種炭材のミクロ反応を調査し、合金粉末中にSiCナノ粒子をその場合成する技術の検討を進め、高速エピタキシャル成長に用いることができることを確かめた。
また、ハロゲンランプ炉を新規に導入し、100K/min以上の昇降温速度でSiC基板ならびに混合粉体を加熱できる試料ならびにホルダー系を決定して予備実験を完了し、高速エピタキシャル成長過程のその場観察ならびに計測を可能とした。加えて、本高速成長の基本速度式を立式し、実測との比較を行うことが可能な状況を確立した。
②本エピタキシャル成長過程におけるSiC結晶/溶液間の成分偏析の検討
ハロゲンランプ炉を用いて10mmのSiC基板を均一に高速加熱・冷却可能、かつ、雰囲気を極低酸素雰囲気に制御可能な加熱装置を新規に導入した。SiもしくはSi-Cr合金にAl添加もしくは窒素導入雰囲気にて、SiC結晶の超高速エピタキシーを進めている。
種々のSiC結晶中のAl、Cr濃度の測定をTOF-SIMSにより計測し、好適な測定条件の検討を進めてきており、再現性の得られる測定条件を見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究における高速エピタキシーの予備調査では、成長面積が数mm角程度の極めて小さいもので成功を収めていたが、より大面積で均質な成長を得るまでの条件調整に期間を要した。さらに本研究で提案するプロセスは大気圧下での反応であるが、混合粉体に由来する気泡の除去にも困難が生じている。
一方で、混合スラリー中のSiCナノ粒子のその場生成技術にはある程度の成功を収めており、混合粉体の作製過程については特殊技術の確立を進めつつある。

今後の研究の推進方策

本研究では、SiC基板上でのエピタキシャル成長を行う媒体となる混合粉体および混合スラリーの適切な準備が鍵となり、その合成法を速やかに確立する。そのうえで、(1) SiC微粒子のGibbs-Thomson効果の定量評価と、結晶成長ポテンシャルの導出、(2) Gibbs-Thomson効果による高過飽和条件におけるSiC結晶/溶液間の成分偏析の検討、を年度内に成果を収めるよう努める。
また年度後半には、別途実施中のその場観察の改善技術を本研究においても導入し、(3) 超高速液相エピタキシー下のインクルージョン発生挙動の調査を開始するとともに、(4) SiC基板上の混合粉体の局所加熱によるメサ構造の形成へ向けた、局所加熱機構の新設を行う。

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公開日: 2021-01-27  

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