電子機器はエネルギー消費が急激に増大したため、省エネ性能と高性能化の両立という現代社会の要請にこたえることが徐々にできなくなってきている。一方、磁性体には磁石に代表されるようにエネルギーゼロで情報を保持できる特性があり、その性質と同様に低エネルギーで動作が可能な非電荷キャリア(=マグノン)が存在する。本研究では世界に先駆けて、マグノンを使って電流ゼロ信号演算を可能にする新しいトランジスタ技術を開拓した。具体的にはマグノンのスイッチ動作を実現し、マグノン波形を維持した長距離ソリトン伝送、バイアス磁場を必要としないで省エネルギーでマグノンを制御することに成功した。
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