研究課題
挑戦的研究(開拓)
通常放射光における波長選択可能なX線源を用いて行われる異常散乱X線回折(AXS-XRD)実験を実験室系の低強度の白色X線と高効率のエネルギー分散型検出器を組合せることで測定可能な手法(LAB-AXS)を構築した。この手法を用いることにより、元素サイト選択型X線回折測定が可能となった。また、AXS-XRDによる構造解析では特に隣接元素の識別に効力を発揮する。その観点から、隣席元素を組み合わせた物質の探索も行い、新物質も発見された。
結晶材料化学
本研究により従来放射光で行われてきた異常散乱X線回折測定を、実験室系で容易に行うためのシステムが実現した。放射光は測定機器がマシンタイムで分配されており、経済的・時間的制約の大きい巨大施設である。本研究でいつでもアクセスできる実験室系での測定と解析が可能となり、より頻繁で迅速な元素選択型の構造解析が可能となった。これにより、解析内容の材料作製現場へのフィードバックが効率化されるため、材料開発のスキームの改善につながる成果であると考える。