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2023 年度 研究成果報告書

過渡分子種を超高感度・超高速で検出する分光法の開拓

研究課題

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研究課題/領域番号 20K20365
補助金の研究課題番号 18H05351 (2018-2019)
研究種目

挑戦的研究(開拓)

配分区分基金 (2020)
補助金 (2018-2019)
審査区分 中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
研究機関学習院大学

研究代表者

岩田 耕一  学習院大学, 理学部, 教授 (90232678)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードラマン分光法 / 時間分解測定 / 化学反応
研究成果の概要

本研究課題の目的は,化学反応の中間体となる短寿命分子種を高感度に検出するための超高速分光法を開発することであった.この目的のために高安定なピコ秒時間分解ラマン分光計を新たに製作した.安定性に優れたフェムト秒レーザーを光源に利用することで高安定ピコ秒時間分解ラマン分光測定を実現した.このピコ秒時間ラマン分解計を利用して金および銀のナノ粒子近傍におけるターチオフェン分子の最低励起1重項状態における振動緩和過程を実測して,電子励起ターチオフェンと金属ナノ粒子との間の振動モード特異的な高速振動エネルギー移動を見出した.分子内および分子間の振動結合によるエネルギー伝達モデルを提案できた.

自由記述の分野

分光物理化学

研究成果の学術的意義や社会的意義

新たな方式を採用した高安定ピコ秒時間分解ラマン分光計の出力安定性は二乗平均平方根0.8%であり,周波数・時間積はフーリエ変換限界の1.2から1.3倍であった.このピコ秒時間分解ラマン分光計の開発を報告した論文は国際学術誌で高い評価を受けて,カバー論文に選ばれた.この分光計を利用することで観測できた電子励起ターチオフェン分子の金および銀ナノ粒子近傍における振動緩和過程は,分子内および分子間の振動相互作用に誘起されたエネルギー伝達機構の存在や金属ナノ粒子によるモード選択的な振動位相緩和の加速やねじれ構造の緩和を示唆する重要な現象であった.

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公開日: 2025-01-30  

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