研究課題/領域番号 |
20K20367
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補助金の研究課題番号 |
18H05355 (2018-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2018-2019) |
審査区分 |
中区分34:無機・錯体化学、分析化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
石谷 治 東京工業大学, 理学院, 教授 (50272282)
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研究分担者 |
玉置 悠祐 東京工業大学, 理学院, 助教 (10752389)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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キーワード | 光反応化学 / レドックス光増感錯体 / S-T吸収 / 光触媒反応 |
研究成果の概要 |
太陽光のエネルギーを有効利用するには、長波長の可視光を活用することが重要である。そこで本研究では、本来禁制遷移である基底状態から三重項励起状態への直接遷移(S-T吸収)を発現する光増感剤の開発を目的とした。 異なる三座配位子を二つ有するルテニウム錯体が、S-T吸収を発現し、光増感剤として機能することを見出した。配位子の電子的・立体的性質を種々検討した結果、二つの三座配位子をプッシュ-プル型の構成にしたとき、S-T吸を強く発現し、720 nmまでの可視光を吸収できた。また、分子設計をオスミウム錯体に適用することで、800 nmまでの可視光全波長領域を利用できる光増感剤を開発することに成功した。
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自由記述の分野 |
光反応化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
太陽光を有効に利用するには、長波長の光を活用することが不可欠である。従来の方法で光増感剤の吸収を長波長化すると、光増感剤に深刻な機能低下を引き起こしてしまう。本研究では、S-T吸収により光増感剤の機能を維持したまま、長波長の可視光を利用することに成功した。S-T吸収を発現できるルテニウム錯体の分子設計を明らかにできたことは、光化学の学術面で非常に意義深いものである。また可視光の全波長領域を利用できる光増感剤は、様々な光反応を可視光全域で駆動できる可能性がある。
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