研究実績の概要 |
(1)全ヒト嗅覚受容体(約400種類)に対する発現ベクターを構築した。ヒト嗅覚受容体は7回膜貫通型Gタンパク質共役型受容体であるので、動物細胞発現においてエンドソーム膜に対する正しいトポロジーを保つ必要がある。本研究では、従来のウシロドプシン由来シグナル配列(約20アミノ酸残基)に加えて、最近明らかになった切断型シグナル配列Lucyタグ(約10アミノ酸残基)をN末端側に融合して、ほぼ全ての嗅覚受容体を正しいトポロジーで発現させるた。(2)セルアレイ用基板への該ベクターの印刷を行った。固相遺伝子導入法により、上記ベクターを遺伝子導入試薬と混合しセルアレイ用基板(直径500μmウェルで構成)にDNA印刷機で印刷した。(3)嗅覚受容体発現用細胞の作製した。嗅覚受容体の発現を促すシャペロン群(RTP1S, Ric8)、嗅覚受容体専用Gタンパク質(Galfa/olf)、嗅覚受容体が駆動するcAMP依存性Caチャネル(CNG)を安定発現するHEK293細胞を作製した。(4)ヒト嗅覚受容体発現細胞アレイを完成させた。(5)ヒト嗅覚受容体発現細胞アレイによる匂い分子解析を行った。
|