研究課題
最終年度においては、レトロウイルスを除く全てのRNAウイルスが有すRNAポリメラーゼ(RdRp)配列のメタゲノム(メタトランスクリプトーム)配列からの効率よい検出及びそのデータベース化を進める為、国内で連携する研究者と共同し、隠れマルコフモデルを用いた高精度な検出システムの構築を進め、その成果を論文に取りまとめた(Sakaguchi et al. 2022 査読中)。この検出システムは、新規なRdRp配列の検出と、その結果をデータベースに還元する自己学習を繰り返すことで、より信頼性が高く、高感度な検出システムに発展することが可能である。その他、同様に、国内の研究者と連携し、コロナウイルスやインフルエンザウイルス等の病原ウイルスの全ゲノム解析に、独自のdsRNAシーケンス解析技術であるFLDS方が有効であることを実証した。これらは、現在、論文化に向けた研究を継続中である。本研究期間全体を通し、独自の網羅的RNAウイルス検出技術FLDS法(fragmented and loop primer ligated dsRNA sequencing)(”dsRNA” (dsRNAウイルスのゲノム・ssRNAウイルスの複製中間体)を高純度に精製・断片化し、末端からの逆転写により得た完全長cDNAを次世代シーケンサーで解読する[Urayama et al. 2016 & 2018])の高感度化を進める(Hirai et al. 2021)と共に、多様な生物試料を対象とした解析を進め、非顕在感染を含む『不特定の(非レトロ)RNAウイルス』に本手法が有効であることを実証した。この他、ロタウイルスを用いた実験系において遺伝子多型解析解析にも有効であることを示した(Kadoya et al. 2020 & 2022)。更に、FLDS法で得た新規RNAウイルス遺伝子による宿主生物の機能改変の試みを糸状菌において実施し、一定の成果を上げている。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件)
Microbes and Environments
巻: 37 ページ: -
10.1264/jsme2.ME21066
Frontiers in Microbiology
巻: - ページ: -
Virus Evolution
巻: 7 ページ: -
10.1093/ve/veab095