研究課題
本研究課題では、高解像型ライトシート顕微鏡「格子光シート顕微鏡」を構築して高速高精度3D時系列計測を実現し、微小領域を光刺激する技術を導入することにより高い精度での細胞機能解析技術を構築することを目的とした。格子光シート顕微鏡は、ハワード・ヒューズ医学研究所Betzig研究室からの技術情報によりカスタムモデルを構築し、2019年度から運用を開始した。ここに空間位相変調器で生成したシングルベッセルビームを導入することにより、1ミクロン以下の細さでブリーチングが可能であること、ビームおよびステージをふることで任意の幅でのフリーチングが可能であることを確認した。さらに、空間位相変調器を用いてより複雑な光パターンを生成することも可能である。これらの技術は、ブリーチングのみならず、光活性型蛍光タンパク質の活性化や、オプトジェネティクスツールにも同様に用いることができる。光活性型蛍光タンパク質を用いた応用実践のために、mEos4を融合したヒストンH2B(mEos4-H2B)ノックインマウスを作製して腸オルガノイドを樹立した。絨毛-陰窩軸構造の突起先端部のみを色変換した後、突起部分を切除し回収、分散した細胞を単離してシングルセル解析を実施し、遺伝子発現解析に成功した。また共同研究者は、格子光シート顕微鏡に光刺激もしくはホログラフィック光路を導入する技術基盤の確立を目指し、開発してきた2光子ホログラフィック光刺激顕微鏡にCCDカメラを導入した。当該顕微鏡には、光スポット数,スポット位置に関わらず,均質な光刺激を行なうための位相最適化法を搭載してきた。この最適化した刺激光をマルチスポットで生体に作成し、~100個の神経細胞活動計測を100-400Hzで可能となっている。今後、開発してきた上記技術を融合することにより、より高度な細胞制御技術に発展できると期待できる。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 5件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 5件、 招待講演 4件)
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