小腸吸収上皮細胞は、経口投与された薬物の吸収や排泄・代謝において重要な役割を担う。本研究では、近年確立されたヒト腸オルガノイド培養技術を用いて、ヒト小腸(十二指腸)オルガノイドから吸収上皮細胞への分化誘導技術の開発と、“吸収・代謝・排泄”を同時に評価できる新規in vitro評価系の開発を進めた。本オルガノイドは30継代(10e30倍)以上の細胞増幅が可能であり、単細胞化し、セルカルチャーインサートに単層培養したところ、極めて高い薬物代謝酵素活性やトランスポーター活性を示すことを明らかにし、薬物の吸収・代謝・排泄の正確な予測を可能にするプラットフォームになり得ることを実証した。
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