研究課題/領域番号 |
20K20383
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補助金の研究課題番号 |
18H05375 (2018-2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2018-2019) |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中山 俊憲 千葉大学, その他部局等, 学長 (50237468)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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キーワード | 免疫記憶 / 脂肪酸代謝 / 記憶T細胞 / 喘息 |
研究成果の概要 |
喘息などの慢性炎症疾患の病態を制御する病原性記憶T細胞において、脂肪酸代謝は機能調節に重要な役割を果たし新たな治療標的となる可能性を秘めている。本研究では、記憶T細胞で特異的に働く代謝関連の二つの分子、Stearoyl-CoA desaturase 2 (Scd2)とacetyl-CoA carboxylase 1 (ACC1)に着目して詳細な解析を行い、これらが脂肪酸の代謝を介して病原性記憶T細胞の機能を制御することを見出し論文として発表した。その他、英文和文による論文発表、国内学会、国際学会での研究発表により、病原性記憶T細胞に関する研究成果について国内外に発信することができた。
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自由記述の分野 |
免疫学、アレルギー学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、総説等で単純化されすぎたモデルが提唱されているT細胞での代謝経路に焦点を当て、「細胞内代謝経路を操作することで免疫細胞の機能を制御できないか?」という仮説の検証を試みた。その結果、従来の単純化モデルでは注目されなかった脂肪酸代謝と記憶T細胞の関連を示唆する、T細胞の代謝モデルを書き換える免疫学上重要な知見が得られた。また、脂肪酸代謝を人工的に操作することで、慢性炎症に関与する病原性記憶T細胞を抑制可能というデータも得られ、「免疫記憶を代謝で制御する」という開始当初の目標に向けて一歩前進し、喘息などの慢性難治性炎症疾患の治療法開発等、将来的に大きな社会的意義をもたらすと考えられる。
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